【中高年に対するガイドブック:介護予防と口腔ケア】

 歯周病は、中高年の90%以上がかかる病気の一つです。この歯周病や虫歯を放置すると、将来下記のような咀嚼障害を引き起こします。高齢者における咀嚼障害は完治しにくく、中高年代における歯科治療の有無が老後の食事を左右して生活の質を向上すると思われます。



 近年「メタボリック症候群」と呼ばれる内臓脂肪の蓄積による代謝異常が生活習慣病の中で注目されています。40歳以上の男性4人に1人は罹患しているこの病気の予防は、運動と食事療法です。食事療法のなかで、血糖値の上昇速度と咀嚼機能は密接な関係があり、丈夫な歯でゆっくりと食事をとることが大切になります。



 中高年において歯科疾患や義歯装着を放置すると高齢者になったときの運動機能において、握力や体重に差が出てきます。そして片足で立つ時間つまり転びそうになったときに身体を支える筋力が低下して転倒骨折のリスクが高くなります。


実践!介護予防 口腔機能向上マニュアルより

 平成18年度より介護保険新予防メニューに口腔ケアが導入されました。加齢とともに飲み込み反射が低下して、就寝時に汚れた唾液を誤って肺に飲み込むことにより、誤嚥性肺炎を引き起こし、介護を必要とする高齢者の死亡率の40%以上がこの飲み込み障害が原因であることが証明されました。



 この肺炎の原因は歯周病菌であり、中高年から定期的な歯周病健診にて口腔環境を整えておくことで高齢期での発生を予防することができます。





 定期的な専門的口腔ケアを要介護者に実施すると下記グラフのように発熱と肺炎の発生率を40%抑制することが証明されました。そして死亡率も50%抑制することがわかりました。



 つまりライフステージをとうして予防歯科・歯周病予防することで最期まで、口から美味しく、楽しく、安全に食事がとれて生活習慣病の予防になるということです。



 さらに口腔を清潔にする効果がでてきました。口腔ケアでインフルエンザの発症を予防できることが証明されました。






手洗い うがい




Professional oral care reduces influenza infection in elderly Abe et al


 口腔衛生状態が悪いと、口腔細菌が放出する酵素がふえてインフルエンザ菌が生体に侵入しやすくなります。かかりつけ歯科医院での歯周病菌の管理にてこの発症が抑制されます。

 下記グラフは要介護高齢者の誤嚥性肺炎の発症率ですが、口腔領域に起因する生活習慣病は十分予防出来るので、歯周病健診を受け口腔管理をしっかりと行いましょう。



 食べることは五感を使い認知症を予防して、美味しく食べるという人間の本来の要求を満たしてくれる大切な行為です。