新しくなった介護保険 〜口腔ケア〜


 本年度4月より『口腔機能の向上』が介護保険に新設されました。高齢者が一生おいしく、楽しく、安全な食生活を営むために、『口腔清掃、口腔体操リハビリ、摂食指導等の口腔ケアで、肺炎・インフルエンザ・窒息を予防して栄養改善・生活の質の向上する介護予防』が全国で実施されます。
 柏市では、地域包括支援センターが開設され、今年は2万人の高齢者に対して誕生月ごとにチェックリストを郵送してハイリスクな高齢者を抽出しています。また、市内を7カ所に区分して、それぞれに社会福祉士・ケアマネジャー・保健師が『介護予防のまちづくり』を支援して行くことになりました。



 なぜ口腔ケアが肺炎予防になるのでしょう。近年、高齢者は寝ている間に汚れた唾液を誤って肺に飲み込んでいること、そして加齢によるのみこみ反射の低下から、食事中にムセたり、食べこぼしがある方は、少量の食物が肺に進入して『誤嚥(ごえん)性肺炎』を発症することが解りました。この『のみこみ障害』とは、ものをのみこむ一連の動きのどこかに異常が生じて、うまく食べ物を食べたり飲んだり出来なくなることです。『ものが飲み込みにくい』『口に食べ物が残る』『のどに食べ物が残った感じがする』という症状がある方は要注意です。



 日本人の死亡原因は、癌・心疾患・脳卒中・肺炎ですが、介護の原因となる疾患は後遺症として『のみこみ障害』が発現します。そして、食事中のムセ等の誤嚥、就寝時の唾液誤嚥にて、慢性の肺炎を起こすことで多くの方が死を迎えます。




Professional oral care reduces influenza infection in elderly Abe et al

 さらに口腔ケアは、インフルエンザ菌の身体への侵入を防止して、その発症率が十分の一に抑制できることも証明されました。
 高齢者が最後まで、口から食べて楽しい食生活を送るための介護予防『口腔機能の向上』が始まります。









柏市民新聞 6月掲載