口腔機能向上加算等に関する事務処理手順例

 介護保険法等の一部改正、及び平成18年度介護報酬改定に伴い、厚生労働省老健局老人保健課より提示された口腔機能向上加算等に関する事務処理手順例です。
 ロ腔機能向上サービスの適切な実施に資するよう―つの参考例として示されたものであり、この事務処理手順例及び様式例によらない場合であっても、適正に個別の高齢者の口腔機能の向上のためのロ腔衛生、摂食・嘸下機能に関する実地指導が実施されていると認められる場合においては、介護報酬上算定して差し支えない旨、申し添えられています。
 以下、老老発第0331008号(平成18年3月31日)より:



1. ロ腔機能向上サービスの実務等について
 (1) 通所サービスにおけるロ腔機能向上サービスの提供体制
口腔機能向上サービスの提供体制は、ヘルスケアサービスの一環として、個々人に最適な実地指導を行い、その実務遂行上の機能や方法手順を効率的に行うための体制をいう。
事業所は、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員(以下「サービス担当者」という。)と介護職員、生活相談員その他の職種の者等(以下「関連職種」という。)が共同した口腔機能向上サービスを行う体制を整備する。
事業所は、サービス担当者と関連職種が共同して口腔機能向上サービスに関する手順( 利用開始時における把握( リスクの確認)、解決すべき課題の把握(アセスメント)、口腔機能改善管理指導計画、モニタリング、 評価等)をあらかじめ定める。
サービス担当者は、利用者に適切な実地指導を効率的に提供できるよう関連職種との連絡調整を行う。
事業所は、サービス担当者と関連職種が共同して口腔機能向上サービス体制に関する成果を含めて評価し、改善すべき課題を設定し、継続的な品質改善に努める。

 (2) 口腔機能向上サービスの実務
利用開始時における把握(リスクの確認) の実施
口腔機能向上サービスを行う通所サービスにおける関連職種は、サービス担当者と連携して、口腔衛生、摂食・嚥下機能に関するリスクを把握する。なお、サービス担当者は、関連職種に対し、利用開始時における把握について指導及び助言等を十分に行うこととし、この把握には、別紙1の様式例を参照の上、作成する。
>解決すべき課題の把握(アセスメント) の実施
サービス担当者は、利用開始時における口腔衛生等に関するリスクの把握を踏まえ(実施されていない場合は、サービス担当者が実施する。)、利用者毎に口腔衛生、摂食・嚥下機能に関する解決すべき課題を把握する。解決すべき課題の把握の実施にあたっては、別紙2の様式例を参照の上、作成する。この際、利用者が要支援者である場合は、別紙2中の(T)の様式例に、利用者が要介護者である場合は、別紙2中の(U)の様式例に必要事項を記入する。
様式例におけるQ O L , 食事・衛生等、衛生、機能及びその他の項目については、事業所等の実状にあわせて項目を追加することについては差し支えない。ただし、項目の追加に当たっては、利用者等の過剰な負担とならぬよう十分配慮しなければならない。
口腔機能改善管理指導計画の作成
@ サービス担当者は、関連職種が利用開始時に把握した口腔衛生等に関する内容を確認し、利用者の@) 口腔衛生に関して解決すべき課題( 口腔内の清掃、有床義歯の清掃等)A)摂食・嚥下機能に関して解決すべき課題(摂食・嚥下機能の維持・向上に必要な実地指導、歯科保健のための食生活指導等) B)解決すべき課題に対しサービス担当者と関連職種が共同して取り組むべき課題等について記載した口腔機能改善管理指導計画原案を作成する。なお、この作成には、別紙3の様式例を参照の上、作成する。
A サービス担当者は、作成した口腔機能改善管理指導計画原案については、関連職種と調整を図り、口腔機能改善管理指導計画原案の内容を、事業所を通じて居宅サービス計画又は介護予防サービス計画にも適切に反映させる。
B 介護予防通所介護又は通所介護において行われる口腔機能向上サービスの場合、サービス担当者は、それぞれの職種が兼ね備えた専門知識、技術等を用いて実施する。しかし、利用者の心身の状況等に応じ、利用者の主治医又は主治の歯科医師の指示・指導が必要な場合、サービス担当者は、主治医又は主治の歯科医師の指示・指導を受けなければならない。
C 介護予防通所リハビリテーション又は通所リハビリテーションにおいて行われる口腔機能向上サービスの場合、サービス担当者は、医師又は歯科医師の指示・指導が必要であり、利用者の主治医又は主治の歯科医師等の指示・指導を受けなければならない。
利用者又はその家族への説明
サービス担当者は、口腔機能向上サービスの提供に際して、口腔機能改善管理指導計画原案を利用者又はその家族に説明し、口腔機能向上サービスの提供に関する同意を得る。
医師又は歯科医師は、指示・指導が必要な場合、口腔機能改善管理指導計画の実施に当たり、その計画内容、利用者又はその家族の同意等を確認する。
口腔機能向上サービスの実施
@ サービス担当者と関連職種は、口腔機能改善管理指導計画に基づいた口腔機能向上サービスの提供を行う。
A サービス担当者は、口腔機能改善管理指導計画に基づいて、口腔衛生、摂食・嚥下機能に関する実地指導を実施する。
B サービス担当者は、口腔機能向上サービスの提供に当たっては、関連職種に対して、口腔機能改善管理指導計画に基づいて個別又は集団に対応した口腔機能向上サービスの提供ができるように指導及び助言等を行う。
C サービス担当者は、関連職種と共同して口腔機能向上サービスに関するインシデント・アクシデント事例等の把握を行う。
D サービス担当者は、口腔機能向上サービス提供の主な経過を記録する。記録の内容は、実施日、指導の要点、解決すべき課題の改善等に関する要点、口腔清掃方法の変更の必要性及び関連職種のケアの状況等について記録する。サービスの経過は、別紙4の様式例を参照の上、作成する。様式例における記録の項目については、事業所等の実状にあわせて項目を追加することについては差し支えない。
実施上の問題点の把握
関連職種は、口腔機能改善管理指導計画に基づき、サービス担当者の指導及び助言等に従い、利用者の目標の達成度、口腔衛生、摂食・嚥下機能の改善状況等を適宜把握する。改善状況に係る記録は、別紙5の様式例を参照の上、作成する。口腔機能改善管理指導計画の変更が必要になる状況が疑われる場合には、サービス担当者へ報告し、サービス担当者は、口腔機能改善管理指導計画の変更を検討する。
モニタリングの実施
@ サービス担当者は、目標の達成度、口腔衛生、摂食・嚥下機能の改善状況等を適宜モニタリングし、総合的な評価判定を行うとともに、サービスの質の改善事項を含めた、口腔機能改善管理指導計画の変更の必要性を判断する。モニタリングの記録は、別紙5の様式例を参照の上、作成する。
A モニタリングは、口腔機能改善管理指導計画に基づき、対象者が要支援者の場合は概ね1か月毎、対象者が要介護者の場合は概ね2週間毎適宜行う。
再把握の実施(利用終了時における把握の実施)
サービス担当者は、口腔衛生、摂食・嚥下機能に関するリスクにかかる把握を3か月毎に実施し、事業所を通じて利用者を担当する介護支援専門員又は介護予防支援事業者等へ情報を提供する。なお、この把握には、別紙1 、別紙2、別紙5の様式例を参照の上、作成する。
介護支援専門員又は介護予防支援事業者等は、情報提供を受け、サービス担当者と連携して、口腔衛生、摂食・嚥下機能に関するリスクにかかわらず、把握を3か月毎に実施する。
口腔機能向上サービスの継続及び終了時の説明等
サービス担当者は、総合的な評価を行い、口腔機能向上サービスの継続又は終了の場合には、その結果を利用者又はその家族に説明するとともに、利用者を担当する介護支援専門員又は介護予防支援事業者等に継続又は終了の情報を提供し、サービスを継続又は終了する。サービスの継続又は終了については、利用者又はその家族へ説明し同意を得る。
総合的な評価の結果が改善等により終了する場合は、関連職種や居宅サービス事業所又は介護予防サービス事業所との連携を図り、総合的な評価の結果において医療が必要な場合は、必要に応じて主治医又は主治の歯科医師、介護支援専門員若しくは介護予防支援事業者並びに関係機関(その他の居宅サービス事業所等)との連携を図る。

2. 歯科衛生士等の居宅療養管理指導の実務等について
居宅療養管理指導にかかる口腔機能スクリーニング、口腔機能アセスメント、管理指導計画、モニタリング、 評価等については、別紙の1 〜5の様式例を準用する。



口腔機能向上サービスのフローチャート





歯科衛生士等の居宅療養管理指導のフローチャート