よく噛んで食べましょう

〜咀嚼のすすめ〜

* 成人編 子ども編 ・ 高齢者編

 さまざまな生活習慣病の原因になる肥満は、よく噛むことで予防できます。 咀嚼と満腹感は密接な関係にあり、噛む刺激が脳に伝わると、脳でヒスタミンと呼ばれる物質が作られ、この物質が脳の満腹中枢を刺激し満腹感を覚えます。 さらに噛むことにより、肝臓や筋肉に蓄えられている糖分(グリコーゲン)はブドウ糖として血液中に放出され、血糖値が上がり、満腹中枢が活性化します。

咀嚼回数が少ないと、血糖値の上昇時間が遅くなり、満腹を感じるまで時間がかかります。そして、肥満体質になり生活習慣病を引き起こします。噛むことでエネルギー代謝が進み、脂肪の分解を促進することも分かっています。
満腹感で肥満を予防しましょう。


 咀嚼回数が多いと『唾液』の分泌量が多くなります。唾液の分泌は胃の活動促し『胃液』を分泌させ、つづいて肝臓・脾臓の活動がよくなり『膵液』『胆汁』と消化酵素が分泌されることにより、初めて腸管での正常な吸収が行われます。 肥満・癌予防・高脂血症の予防効果があります。

糖尿病予備軍のお父さんへ、肥満防止のコツ

【咀嚼回数を増やすための工夫】

@ 口に入れる食べ物の量を減らす(意識的に回数を増やすことは難しい)
A 野菜・海藻・きのこなど食材を工夫する。
B 和食を基本としたメニューにする
C 一口30回(右の歯で5回、左で5回を2回くりかえし、最後に両方の歯で10回噛んで、食べ物が粥状態になってから飲み込む習慣をつける。糖尿病の方は、頑張って回数を増やして血糖値の上昇を予防しましょう。
D 通勤一駅前から、徒歩通勤など適度な運動を習慣化しましょう。
食べ過ぎ防止: 食前に10分程度ガムをかむと、脳が刺激され、早く満腹感を覚えるため効果的です。
早食いの人ほど体重が多い傾向があるのは、満腹に達するまでの食事量が1食で300kcalも違い、インスリンの上昇も緩慢になるからです。

【ボディーマスインデックス(お父さん一度計算してみましょう)】
BMI 体重(Kg)÷身長(m)の2乗=24以上の太り気味
(22あたりが健康維持には理想的)

【メタボリック症候群】

 1つ1つは病気でなくても、3つ合わせると『りっぱな病気』これがメタボリック(代謝異常)症候群です。知らない間に進行する生活習慣病の中で最近、特に注目されています。メタボリック症候群と診断される人は、40歳以上の男性では4人に1人に達するほど増えています。

診断基準

腹囲(へそ回り) 男性 85センチ 以上 (内臓脂肪蓄積)
    女性 90センチ 以上  
中性脂肪 150r/dl 以上  
HDLコレステロール 40mg/dl 未満  
高血圧 130/85mmHg 以上  
空腹時血糖 110mg/dl 以上 (HbA1c 5.6以上)
(5項目中3項目当てはまる場合をメタボリック症候群と診断されます)

【和食のすすめ】

 日本人の食事に占める脂質エネルギーの比率は戦後60年で3倍以上に増えました。つまり、糖分や脂肪だけで、他の栄養分のない『エンプティーカロリー食品』と呼ばれる食べ物が増えているということです。糖尿病予備軍は、全国で1600万人と推定されています。食事の欧米化も原因の一つです。和食を基本として、間食を減らし。適度に加工食品を利用するようにしましょう。

【太るのは簡単・痩せるのは大変】

 『スーパーサイズ・ミー』という映画で、監督自らが1ヶ月間ジャンクフードだけ摂るというドキュメンタリー映画がありました。当然1ヶ月後に彼の体重はかなり増えるにだが、その体重を元通りにするのに9ヶ月の時間が必要でした。ダイエットに王道はありません。食事と有酸素運動を意識しましょう。

【歯周病と糖尿病の関係】

 糖尿病の人は約3倍歯周病がおきやすく、重度の歯周病にかかることは昔から注目されています。理由として
高血糖により口に中が乾燥して、口腔内の自浄作用が低下します。
歯周ポケット内やそのまわりの組織、唾液の糖分の濃度がたかまり、細菌の繁殖に好条件になります。そして組織を修復する能力が低下します。
日本人に多い肥満を伴う2型糖尿病では、脂肪細胞から分泌される炎症物質が歯周組織に影響を与える。
 また、歯周病治療をすると糖尿病の数値が改善することもわかってきました。 理由は歯周組織に強い炎症があると生体はさまざまな生物活性因子を分泌します。この物質はインスリン抵抗性を引き起こし、インスリンが効きにくい状態を作ります。

【どうして日本人の口は臭いのでしょうか?】

 日本に来ている欧米人から、よく言われます。最近は『自分の口臭があるのは?』と悩む人も増えてきました。20代:62%、30代:67%、40代:73%、50代:77%の方が気にしています。口臭の90%以上は歯周病、多量の舌苔付着、唾液分泌減少、義歯の清掃不良などの口腔内が原因です。一度、歯科医院で診察して歯周病予防治療を受けると原因がクリアになります。

年に1〜2回は、歯周病健診を受けましょう。最近はPMTCという歯周病治療があります。ガリガリ歯石を取るだけではなく、歯垢を取り去り清掃状態が良くなった後で、痛くなく歯石を除去する治療方法です。爽快感があり定期健診が楽しくなります。

【夜食べると太りやすい】

 生体リズムを調節しているタンパク質が、細胞内への脂肪の蓄積と密接に関係しているからです。このタンパク質は午後10時から午前2時ごろに体内にて最高値となり、最も少ない午後3時の約20倍にもなるからです。

【家庭の食卓】

 家族を結ぶ絆の1つである『食』生活。家族は『食卓』を通じて空間や時間、話題、気持ちなどあらゆる面を共有しています。
家族そろって夕食をとる回数
 ほぼ毎日:45%週1−2回:20%ほとんどない:8%
 ほぼ毎日の方の職業自営業  :60%サラリーマン:32%

 働き盛りの中高年世代にとって、夕食の団らんは『週1回は確保したい』大切なひとときですね。核家族化が進み、共稼ぎが多くなると『バラバラ食』が増えてきます。そしてファミリーレストランにて家族が別々の単品をたべる『バッカリ食べ』となります。飽食の時代ですが、家族の心や繋がりは低下しているのではないでしょうか。

毎日家族そろって夕食を食べている人は45%なんだよ
週末は、お母さんの手料理をみんなでたべようね。

レトルト食品や冷凍食品、調理済み総菜も便利ですが、家族の味を次世代に受け継いでいく上でも、せめて1つの汁物と総菜『1汁1菜』の『おふくろの味』を作りましょう。


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