歯科医からみた食育

〜ライフステージにおける対処〜

 私たちを取り巻く『食環境』は近年大きく変化して不安や危機感をはらんでいます。子供から高齢者それぞれのライフステージにおける問題点を整理してその対処を考えてみましょう。

乳児期: 赤ちゃんが初めてたべる離乳食は好き嫌いをなくし、食事の楽しさを覚える、大切な時期といえます。口腔の動きと食形態の関係を理解しましょう。そして、最近減ってきている『手づかみ食べ』の意味を考えてみましょう。
幼児期: 友達とみんなで食べる時期です。しっかりとマナーを身に付かせる重要な食育過程です。また、呼吸・咀嚼・発音・飲み込みを司る『口腔』は重要な感覚器官です。口腔を清潔にすることで感性のある子供に育てましょう。
学童期: 良く噛んで食べること、『咀嚼』することは『歯』だけの問題ではありません。顎・頬・唇・舌の正しい動きを習得して、『食べられる口』を作りましょう。虫歯予防も『どうしたら予防できるか』を体験学習しましょう。
思春期: 朝食をしっかりとりましょう。肥満と痩身は大きな問題です。この時期の個人の意識・行動の変容をするには、どのようなアプローチが良いのか考えてみましょう。生活習慣病である歯周病の予備軍である歯肉炎の発生時期でもあります。
青年期: スローフードや和食を取り入れた、バランスのよい食形態にしましょう。生活習慣病の予備軍にならないように家族全体で考えることが大切です。定期健診や健康への意識が低い時期でもあります。
壮年期: 肥満・生活習慣病予防を真剣に考えましょう。減塩・低脂肪を心がけた食生活と適度な有酸素運動を習慣化しましょう。
高齢期: 介護を受けている方の疾患は、脳卒中・パーキンソン病・認知症です。そしてその後遺症である『飲み込み障害』から『誤嚥性肺炎』にてほとんどの方が死に至ります。
咀嚼力を回復して低栄養を予防し、口腔ケアと食前体操にて『口腔機能の向上』を心がけましょう。介護食の知識も重要です。