食行動と生活習慣病予防

 メタボリックシンドロームにおける疾患は、それぞれが突然発症するのではなく、まるでドミノを倒すように最初は軽微な兆候からはじまり、最終的に重大な疾患となり私たちの生活を脅かします。このドミノをメタボリックドミノと言いますが、できるだけ上流のうちに対処する必要があります。この上流を司るのが、各ライフステージにおける『食行動』であり、食行動を是正・考察することで、メタボリックシンドローム予防に繋がると考えられます。



生活習慣のドミノ(食行動・運動不足)→肥満→インスリン抵抗性→食後高血糖(糖尿病)・高血圧・高脂血症→糖尿病合併症(網膜症・腎症・神経障害・歯周病)→脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化
しっかり食事内容と食行動を見直し、節酒し、運動不足を解消して減量することで、ドミノを倒さないようにしましょう。





 メタボリック症候群の病態基盤と発生順序を考えると、食生活や運動不足など、生活習慣が揺らぎ引き金となり、まず肥満が起こってきます。
 日本人の場合、和食を中心とした食生活の背景から、BMI25〜27程度でも、日本人特有の遺伝的な体質がベースとなり、インスリン抵抗性などの共通の病態が生じて、メタボリックシンドロームを発症します。

 セルフメディケーション、つまり身体にいい生活を送るためには、将来の肥満予防や概に太っている方への行動療法が必要となります。私たち栄養システム検討会では、メタボリック症候群予防のために『食行動:何を誰とどのように食べるか!』が重要な因子であると考え、柏市歯科医師会会員の協力にて、柏市民10000人の食行動に関するアンケートを収集しました。

 早食い兼ドカ食い。これは必ず肥満の元になります。摂食時間が短い早食いの場合、脳が満腹と感じる前に、胃へ食物が次々と入ってしまい、余計なカロリーを摂ってしまう事になります。その食行動の背景には、欠食・前日の就寝時間やゆっくり食べないという咀嚼を含めた生活習慣の問題があります。

 食内容や食形態に関しては、動物性の蛋白質や、脂肪分の多い食品は動脈硬化を招きやすくなります。最近、軟食の食品が増加しております。これも早食いの要因のひとつですが、口腔機能の低下した方でも食べられるため、血糖値の上昇が早くなるとともに、気づかないうちに生活習慣病に移行する要因になります。

 近年の研究によると、BMI(身体の肥満度を把握する指数)と食行動で強い関連を認めた習慣は、朝食をとらない、満腹まで食べる、肉や魚またご飯や麺類をたっぷり食べる。イライラすると食べるなどがありました。BMIのみならず、直近の血糖値、血圧、中性脂肪、HDLコレステロールともに有意に関連した食行動は『食べる速度が速い』でありました。つまり、食形態や食内容や咀嚼時間をふくめた食行動を改善することが、自分自身が生活習慣病を予防する要因の一つであると考えられます。