摂食・嚥下(飲み込み)障害とは (1/12)


 水や食べ物が飲み込めなくなったり、肺のほうへ行ってしまうことを『嚥下(えんげ)障害』といいます。また、食物や唾液が肺に入ってしまうことを『誤嚥』と呼びます。そして、肺に侵入した食物や唾液内の細菌が定着して発症すると誤嚥性肺炎が起こります。 私たちはふだん何気なく食べたり飲んだりしていますが、高齢者の肺炎のほとんどが誤嚥性であり、繰り返し発症すると口から必要量が食べられなくなります。

 医療や介護の現場では、覚醒が不良で脳障害が重度な場合や、摂食・嚥下機能が低下してむせたり誤嚥したりする患者さんには、チューブ栄養(経管栄養)やミキサー食で対処してきました。

 近年、摂食・嚥下機能療法や口腔機能向上リハビリテーションが波及するにつれて、『口から食べることをあきらめずに、早期にリハビリテーションを受けて、口から食べることで元気になろう』という声が、医療・介護・福祉関係者の間で上がるようになってきました。




〜 誤嚥がなぜ起こるか 〜

 咽頭部の反射が加齢とともに悪くなるからです。私たちは、空気を吸えば気管支を通って肺に運ばれます。一方、食物を食べた場合は、食道を通って胃に運ばれます。この調節を行っているのが、咽頭部の反射です。年をとって嚥下反射が悪くなると、食道に嚥下されるべき食物が咽頭部に貯留し、これが気道のほうに落ちていくために誤嚥性肺炎が起こります。これが高齢による誤嚥ですが、一見元気そうな高齢者でもよく聞いてみると『最近むせやすい』『味がわからない』『口が渇く』と訴える人の2割くらいが、近い将来誤嚥性肺炎に移行する危険性があります。一般的には75歳を越えるとなんらかの初期症状を認めます。


 

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